生態工房とは活動について参加する支援する


ニホンイシガメ (日本石亀)

本州、四国、九州に生息する日本固有のカメ。
オスの方がメスより小さく、オスは甲長13p程度、メスは20p程度。


 ↑おしりの部分は甲羅がギザギザ。
子ガメは黄色みが強く、その色と丸い形をお金に見立て「ゼニガメ」と呼ばれる。他のカメより尻尾が長い。
おしりの部分の甲羅はギザギザしているが、年をとるとそのギザギザがすり減ったり、甲羅が摩耗したり藻類が生えて甲羅の色が変わって見えるものもいる。


 ↑おなかの甲羅(腹甲・ふくこう)は真っ黒。
目は真っ黒で、手足と腹甲も黒。手足には黄色〜オレンジの線が入る。
雑食で、小魚・水生昆虫・アメリカザリガニ・水草などを食べる。
耐寒性が強く、12月頃でも天気の良い日には活動していることもある。そのかわり極端な暑さに弱い。水質の汚染、特に生活排水にも弱い。


▼今の「ゼニガメ」はニホンイシガメじゃない?!


クサガメ (臭亀)

「クサガメ」というカメも、在来のカメだと考えられてきました。しかし近年の研究で江戸時代以降に朝鮮半島や中国から持ち込まれた外来のカメである可能性が強まっています。
 その結果、自然状態では分布が重なっていなかったクサガメとニホンイシガメの間に雑種(ウンキュウと呼ばれる)が生まれるようになり、日本固有のニホンイシガメの存続が危ぶまれています。

 1960年代以降はニホンイシガメよりも水の汚れに強く、飼いやすいクサガメの幼体が「ゼニガメ」の名前で売られるようになっていきました。

↑本来の「ゼニガメ」(ニホンイシガメ幼体)

↑現在の「ゼニガメ」(クサガメ幼体)



▲ページのトップへ


ニホンイシガメは、環境省レッドリストでは「準絶滅危惧種」というカテゴリーに入っています(平成24年8月時点)。東京都レッドリストでは「絶滅危惧IA類」、千葉県レッドリストでは「情報不足」、神奈川県レッドリストでは「絶滅危惧T類」に位置づけられています。東京都内だけでなく、日本中で絶滅が心配されている生きものです。

バードサンクチュアリ池では、2011年度には6頭のニホンイシガメが確認されています。三宝寺池では、13匹のニホンイシガメが確認されました。
 他にも両池にはニホンスッポン、クサガメ、ミシシッピアカミミガメなどが生息しています。

 ニホンイシガメの確認数は、それぞれの池で確認されているカメ類全体の10%にも満たないのです。

バードサンクチュアリ池における
カメ類の捕獲状況(2011年度)
※数字は個体数
ニホンイシガメは、
全体の3%
イシガメちゃん
※スッポンは累計捕獲数

ニホンイシガメは、
全体の6%
イシガメちゃん
※スッポンは累計捕獲数
三宝寺池における
カメ類の捕獲状況(2011年度)
※数字は個体数

ニホンイシガメは、ミシシッピアカミミガメなどと比べて繁殖力が弱いことも個体数が増加しにくい理由の一つです。ニホンイシガメは一回に5〜10個程度の卵を土中に産みます。 しかしミシシッピアカミミガメは一回に2〜22個も産卵します。
 繁殖力という点では、ニホンイシガメはミシシッピアカミミガメにはかないません。

▲ページのトップへ


   
ニホンイシガメ一匹につき、一口3000円から寄付を募ります。
  サポーター期間は4月〜翌年3月の1年間(一年更新制)。

※このプログラムは、皆様がイシガメを引き取って育てるものではありません。「サポーター」とは、選んだカメ(里子カメ)を家族の一員として身近に感じてもらい、その成長を応援して頂くという意味です。


★サポーター特典★
●初回登録時にサポーター証明書、応援団員証の発行。

●年1回、ニュースレター「まごがめ便り」を送付。
   →内容は・・・里子カメの確認・成長状況のご報告、外来生物防除や生息地の保全活動のご報告など。


★里子カメの選び方
里子カメ紹介ページよりサポーター様自身で選択していただくことができます。もし特にこだわらない場合は、当会におまかせください(スタッフが代わりに選択いたします)。
 年1回送られてくるニュースレターで、里子カメの成長・変化状況をお楽しみください。

▼おことわり・・・カメは生きものです▼
 カメは生きものです。病気、捕食、不慮の事故などの要因により死亡する可能性があり、また死亡していても確認できない場合もあります。細心の注意を払って作業を行いますが、万が一死亡が確認された場合には、誠に残念ですがその旨をご報告させていただきます。

 また、シーズン中に一度も確認されない可能性もございます(その場合でもニュースレター等は送付いたします)。あくまでも野生動物であるということをご了承ください。

▲ページのトップへ
寄付金は「ニホンイシガメの生存を脅かす外来生物の防除」「ニホンイシガメの生息環境の保全作業」に用いられます。活動の成果はニュースレターでご報告させていただきます。

・外来生物の防除活動
外来種防除活動 ミシシッピアカミミガメ
ニホンイシガメの繁殖・生存を脅かす外来生物(ミシシッピアカミミガメ(写真右)、アメリカザリガニ、ウシガエルなど)を防除する活動です。
 ミシシッピアカミミガメは、カメにとって重要な日光浴を行う場所の占領や、餌の奪い合いなどの点でニホンイシガメと競合してしまいます。
 アメリカザリガニやウシガエルも、ニホンイシガメの餌となる魚類・水草類を食害してしまいます。
 そうした外来生物による脅威を取り除き、本来あるべき自然に近い状況にすることによって、ニホンイシガメが棲みやすい環境を整えます。

・生息環境の保全活動
底泥浚渫中… ヒメガマ刈り
バードサンクチュアリ池は、人工的に作られたものです。そのため流入する河川などがなく、放置しておくと泥が底にたまって浅くなってしまい、水質も悪化してしまいます。そのような事態を防ぐために底泥の浚渫作業(写真左)を行います。
 また水辺のヨシやヒメガマなどを刈ることで、それらの植物が繁茂し水面を覆ってしまうことを防止します(写真右)。

▲ページのトップへ


カメ類計測表と、ニホンイシガメ
※写真クリックで大きな画像が出ます

里子カメたちの個体識別。どうやって見分けているの?と思われる方も多いでしょう。
 実はカメの甲羅の一部に穴を開け、穴の開いている場所の組み合わせから個体番号を読み取り、個体識別をしています。穴が開いても生きていくのに問題のない、外縁の部分の甲羅(縁甲板といいます)に5ミリ程度の穴を開けています。この穴は成長してもふさがることはありません。
 当会ではニホンイシガメとクサガメについて、この方式で個体識別を行っています。

ちなみに、スッポンは甲羅が皮膚に覆われており、穴を開けることができません(もし開けても血が出ますし、じきにふさがってしまいます)。そのため当会ではスッポンの個体識別は今のところ行っておりません。
▲ページのトップへ