以下は、東京都立光が丘公園バードサンクチュアリ池において実施した、外来魚除去を目的とする掻い掘りの概要です。
【日時】2001年8月〜9月(排水、魚類採集は主に8月18日)
【排水方法】主にエンジンポンプを使用
【魚類の採集方法】池を干してたも網で採取
【除去した外来魚】
ソウギョ、コイ、オオクチバス、ブルーギルなど
計6,221個体(採集した魚類の約90%)
【保全した在来魚】
ギンブナ、トウヨシノボリなど
計703個体(採集した魚類の約10%)
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この掻い掘りは、「作業予測」と「普及活動」という2点がポイントでした。
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掻い掘りでは、水を抜いてみないとわからないことがたくさんあります。しかしやる前に情報が無いと、準備をし過ぎたり、足りなかったりして困ることになります。わからないなりにも、ある程度根拠のある予測をしておくことが大切です。今回の例では、事前の調査に基づいてに魚類の個体数を推定し、魚類の回収に係る人員や道具の数量、いけす容量の決定などに役立てました。 |
外来魚の問題は、魚自体が悪いのではなく、それを釣りのために密放流してしまう人間の問題だと言えます。そうであれば、現に自然の中に拡散してしまった外来魚をいかに回収するかというのと同時に、これ以上密放流をさせないための普及活動が大切です。
今回の掻い掘りでは、排水後に、市民が池に入って魚を捕る行事として行い、総勢94人が参加しました。在来魚の保全や外来魚の除去作業を体験し、自然を大切にする意識を育みました。
また作業終了後は外来魚問題を解説する展示を製作し、施設を訪れた利用者の理解促進に役立てました。展示をした2年の期間に約60,000人の来場者がありましたので、相当な普及効果があったものと思われます。

この事業は、排水工事を取り仕切る造園会社、魚の採集や記録を行う市民などと共に行われました。詳細は
「生態工房年次報告書2001」に掲載されています。